荼毘と轟家

はじめに

目次

26巻 「燈矢」

両者の個性や顔つき、轟家の設定から、荼毘が(死んだとされている)轟燈矢であるという説は昔からささやかれていた。 26巻の展開でも燈矢に関するエピソードが強引にぼかされていることや、荼毘の個性から、この説はほぼ確定と考えても差し支えないだろう。(具体的なエピソードは不明のままだが。)

今回は改めて「荼毘=轟燈矢」説を考察する。

見た目

髪型

轟家の髪型の成分は「髪質(サラサラ、ツンツン)」「髪の色(白、黒)」

個性

荼毘の個性は青い炎を出すというもの。炎熱系の能力に根本的な違いがあるのかはわからないが、とりあえず荼毘の青い炎はかっこいい。 エンデヴァーのような爆発系統の攻撃は行わず、炎を持続させるタイプの攻撃をよく行う。これは得意不得意なのか、好みの問題なのか。また、両者とも必要が生じれば、広範囲の炎も噴出できるようだ。

ちなみに現実の炎であれば、中学理科で学習したように炎の色と温度には相関があるが、ヒロアカの個性の炎の色は単に「個性の特徴」の範疇だろう。現実世界で青い炎は橙の炎より高温だが、エンデヴァーが超高温の炎を出している際も青色描写は行われなかった。

また、エンデヴァー、焦凍、荼毘の全員が個性使用時に体温が変動してしまい、それが個性の枷になると分かっている。おそらく、あの手の個性は体温が律速段階になることが多いのだろう。

燈矢の個性も炎熱系の強い個性であったことがエンデヴァーの発言で分かっている。

轟家のネーミング

轟家には燈矢を含めて4人の子供がいたが、彼らの名前は二つに大別できる。

名前 個性 法則
夏彦、冬美 X 季節を表す文字が入る
焦凍、燈矢 個性(炎熱、氷雪)を表す文字が入る

生まれた段階では個性は分からっていないので、この分類はあくまでメタ的なものに過ぎない。

荼毘は気にかけている人をフルネームで呼ぶ

現実世界と同様、ヒロアカにおいても呼びかけの際にフルネームはあまり用いられない。 だが、荼毘はたまにフルネームで相手の名前を呼ぶことがある。

10巻 「悲しいなあ、轟焦凍

はじめに与えられた、荼毘に関する有力で直接的なヒントは仮免合宿で敵連合に爆豪が連れ去られる場面。荼毘がわざわざ、名指しで轟焦凍に呼び掛けている。体育祭を経ていることや、エンデヴァーの息子であることから、轟焦凍自身が有名なのは確かだが、それでこの場面で呼び掛けるほど荼毘もミーハーではないだろう。そもそも敵連合としては、Mr.コンプレスなどと同様にその場にいた学生全体に呼び掛ける方が自然であり、わざわざ焦凍単体に話しかけたこと自体から意図が読み取れる。 むしろこれは、まだ轟家にとらわれていた過去の自分と、轟焦凍を重ねている節がある(主観)。

21巻 「精々頑張れ、死ぬんじゃないぞ、轟炎司」

さらに、ハイエンド脳無の回収に失敗した場面。荼毘は初めてエンデヴァーと対面するのだが、そこでも適当に煽りあった後、最後にやはり名指しで「轟炎司」の名を呼ぶ。前の場面の焦凍はともかく、エンデヴァーのことを本名で呼ぶのは、荼毘の強い意図を感じる。 また、普段はクールな荼毘だが、ここでは表情筋がとても動いている。やはりエンデヴァーには(悪い)思い入れがあるということか。

ただ、ミルコの参入でほとんどエンデヴァーと会話できなかったにもかかわらず、その後は会話の中で出てきたスナッチが誰のことか思い出していたりと、いつもの調子だった。エンデヴァーとの対面を妨害されたのに、なんとも思っていない様子だ。本人の談の通り、価値観がステイン思想に染まり切っているのだろう。

27巻 「鷹見、啓悟!!」

ホークスにとらえられているトゥワイスを荼毘が救出しようとしている動きの中で、ホークスが鷹見啓悟と叫ぶ。 これはホークスの本名を知っているという事実を教えて、衝撃を与えることも目的であっただろうが、その後のシーンと合わせて、ホークス自身にも思い入れがあったとみるべきだろう。

燈矢(=荼毘)の生い立ち(想像)

  1. 荼毘と轟燈矢は同一人物。
  2. 轟燈矢はエンデヴァーの個性への執着で何らかの被害を受けた。燈矢は父譲りの燃焼の個性を持っていたが、母譲りの体で病弱だった。年齢は16歳の焦凍より上で、19歳の夏彦より下。
  3. 轟燈矢は現在は死亡したものとして扱われている。
  4. 荼毘はホークスの本名を知っている。(補足: ホークスは幼いころに才能を見出され、公安の育成機関に入所しており、その際に本名は捨てている。)

以上より、次のようなシナリオが考えられる。 燈矢は体が弱かったため、焦凍のような個性強化は行われていなかったが、何らかの理由で公安の育成機関に預けられる。しかし、何らかの事故にあい、死亡したと思われていたが、実際はアングラの世界で生き延びていた。その後、ステインの思想に強く感化される。 また、荼毘の行動からしてエンデヴァーなどに対して、強く復讐しようとは考えていない様子。いまいち、荼毘の思想が分からない。

【ヒロアカ伏線考察】ワン・フォー・オ―ル継承者の中に爆豪がいる!

はじめに

OFA(ワン・フォー・オール)の歴代継承者の中に爆豪がいる、という話を聞いたことがあるだろうか? 実際、かなり爆豪らしき人影はいる。 今回はその人影について考えてみよう。

目次

継承者に爆豪らしき人影を発見

図1, 21巻 OFAの歴代継承者 (横並び、初代以外)

図1の継承者の一番奥の人物は、髪型やコスチューム(腕)が爆豪にかなり似ている。ここまで一致していて、偶然ということはあるまい。 さらに体格から、高校生ではなく成人の爆豪であるとわかる。(コスチュームの差異は、将来的なデザインの変化と考えられる。) つまり(上記を信じれば)爆豪がOFAを継承するのは、当然ながら爆豪にとって将来のことだ。では図1の歴代の継承者というのは、未来の継承者も含めて登場しているのだろうか? 随分と「進撃の巨人」の「進撃の巨人」な雰囲気を感じる設定で、それはそれで面白いのだが、実は一つ矛盾がある。

図2, 21巻 OFAの歴代継承者 (正面、初代含む)

爆豪は未来の継承者ではない

図3, 6巻 「9人目の継承者がこんな湿った男とは…、オールマイトはとことんド素人だァな」

職場体験でグラントリノを訪れた際、会話の中で緑谷が9人目の継承者であると認識されている。グラントリノオールマイトや先代志村との知り合いで、OFAについても詳しい。おそらく、歴代継承者の詳細は必ずしも伝達されていないが、何代目の継承者であるかは伝えられてきているのだろう。

図4, 23巻 「8人の人間を渡って」

OFAの内部に因子として存在していた黒鞭の継承者も、同様の内容を口にしている。OFAの内側の人間の情報である以上、緑谷が9人目というのは信用していいだろう。

図5, 26巻 「ただ"託されたもの"であり、"託した者"だった」

そして26巻の時点で2・3代目以外の継承者については詳細が判明している。図5から察するに、2・3代目は図1で黒塗りの人物であろう。

時間移動説

ここまでをまとめると

  • 図1の最奥の黒塗りの継承者は成人後の爆豪である
  • さらに爆豪は、2または3代目の継承者と思われる

もちろん、このままでは時系列的に矛盾してしまう。未来の存在である「成人爆豪」が、過去の存在である「2または3代目継承者」となるからだ。 この矛盾の解決策として「将来、成人爆豪が何らかの要因で過去に送り込まれ、2または3代目継承者になる」というものがある。この筋書きの利点は2つある。

  1. 26巻でオールマイトが調べた際に、2・3代目継承者のみ情報が全く存在しなかった。2・3代目継承者が未来から突如やってきた人物なら、情報がほとんどなくてもおかしくない。この場合、成人爆豪と同様に過去に送り込まれた人物が存在し、そちらも2または3代目継承者になったとするのが自然だ。
  2. すでにOFAを完全に失っているはずオールマイトの面影が図1で朧げであることから、「命を落とした継承者のみが黒塗りでない面影になる」という仮説がある。2・3代目継承者が過去に時間移動した人物とするなら、「2・3代目継承者は、過去の世界では命を落としているかもしれないが、現在は存命(あるいはまだ生まれていない)ので黒塗りにされている」と解釈できる。もちろん、2・3代目継承者は過去の世界で死ぬ前に、未来へ帰ったというパターンもありうる。

その場合、将来的に緑谷に爆豪と同じ個性が芽生えることになるけれど、それは爆豪が過去に移動するよりまえなのか後なのか……。 そして、もう一人の奈良シカマルみたいな髪型の継承者は、プロヒーロー編とかで登場するのだろうか。

体育祭編の時の面影はかなり朧げだったけど23巻ではっきりと描いた面影の中に爆豪を追加したのは、作品の人気具合から超長期連載を確信して、風呂敷を存分に広げたというところか。 まだまだ長い間、ヒロアカを楽しめそうで何よりだ。 Plus Ultra!